「スパイダー」(M545X)のオペレーターが日本最多! 高い環境共生型技術を誇る徳島の企業・成島建設が見据える未来
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今回ご紹介するのは、徳島市で土木・建築工事や大型太陽光発電所工事など、幅広い業務を手掛ける株式会社成島建設様(以下、敬称略)です。
成島建設は、スイス・メンツィムック社製の4輪多関節型作業機械「スパイダー」(M545X)にいち早く着目され、オペレーターも国内最多の4名が在籍しています。日本で初めて本格的な工事現場でスパイダーを使用したのも成島建設で、「スパイダー」の知識や操縦において、右に出る者はいないと言っても過言ではありません。
スイスでのオペレーションライセンスの取得からメガソーラー工事での使用、自社への導入まで、成島建設とスパイダーの「歴史」を当社担当の米村拓郎に聞きました。また、「スパイダー」の可能性について、成島建設の五島満専務に語っていただきました。
スイス本社も納得のオペレーション技術
急傾斜地や複雑な地形をものともせず、高い性能を発揮する「スパイダー」。成島建設は、ある大手企業から相談を受け、2017年にライセンスを取得することになりました。
一連の経緯を、米村はこう話します。
米村: 「当時予定されていた鹿児島県の大型メガソーラー、『鹿屋大崎ソーラーヒルズ太陽光発電所』の工事にスパイダーを使用したいということで、開発を担当する会社から成島建設にライセンス取得についての打診があったそうです。
それで、2016年にはスイス視察へ、そしてその翌年(2017年)には、やはりスイスにて、スパイダーのオペレーションライセンスを4名が取得しました。この資格は、日本で6名しか保有者がおらず、そのうち4名、つまり3/4が成島建設に在籍していることになります。
ライセンスを取得した際も、スイス人の指導者から『非常に高い技術を持っていて驚いた』と評価されるなど、成島建設の社員の方の技術力、そしてスパイダーへの熱意は並々ならぬものがあったのだと思います。
その頃、私はまだ担当ではありませんでしたが、現在のみなさんを見ていれば、当時の様子も想像できますね。今も変わらない熱意と意欲をお持ちですから」
自然に配慮したメガソーラー建設に貢献
実際にスパイダーを使用した大規模太陽光発電所の工事は、どのようなものだったのでしょうか。
米村: 「スパイダーは、見た目通り4つのタイヤとアームが自由自在に動くことで、通常では作業が難しい急斜面地などでも活躍するのが大きな特徴です。
成島建設が参画したメガソーラー工事では、スパイダーを使用することで造成を行わず、土地なりに太陽光パネルを設置することが可能になりました。一般的な重機を用いて施工する場合、機械が作業できる状態にするために、傾斜を均す造成が不可欠です。
現場はバブル期にゴルフ場建設の計画が中止された土地で、敷地内には急な斜面もあったようですが、スパイダーならこうした場所でも作業できますので、整備する必要がなくなります。
造成工事が不要になれば、工期を短縮することはもちろんですが、メリットはそれだけではありません。土を削るとその分、雨が降った時などに土砂として流出してしまう可能性が出てきます。これが、周辺の地下水を汚染してしまうケースもありますので、スパイダーの活用により、自然に配慮した環境調和型の工事ができるんですね」
斜面での杭打ち工事は非常に難易度の高い作業ですが、成島建設の高い技術力で、無事に完成させることができました。さらに、造成を行わずに太陽光発電所を建設する「新工法」としても、注目が集まりました。
満を持して、自社でも導入へ
米村はこれまで担当するなかで、成島建設の社員のみなさんの、スパイダーへの熱い想いを実感してきたといいます。
米村: 「4名のライセンス保有者のうちのお一人が、五島専務です。専務中心にスパイダーチームが組まれているのですが、みなさんとお話ししていると、スパイダーへの『愛の深さ』を感じずにはいられません(笑)
正直、私なんかよりも全然スパイダーに詳しいですよ。こちらが教えていただくこともあるくらいです。実際にオペレーターとしての操縦経験が大きいのでしょうが、それだけではみなさんのように、機械全般に精通するのは難しいと思います。常に細かい点まで気を配り、研究されていることが伝わってきます。その真摯な姿勢を、とても尊敬していますね」
技術の高いオペレーターを有していることもあり、成島建設は、自社でもスパイダーを導入したいと考えていました。そのチャンスが巡ってきたのが、2021年です。
米村: 「成島建設では、兼ねてから林業など環境保全につながる新たな分野へ挑戦していきたいと考えていました。スパイダーを導入することで、こうした新規参入も行いやすくなるという判断で、導入を決意されました。
2021年末に発注しましたが、コロナ禍やウクライナ情勢の影響で部品の調達などに想像より時間がかかってしまい、納車されたのは2023年2月でした。
納車してまだ数ヶ月という状態ですが、早速電力会社の新設工事にスパイダーを活用するなど、積極的に使用されていますね。林業参入に向けても、精力的に見学・勉強されています。
また、珍しい機械でもありますし、災害復旧時にも大きなポテンシャルを発揮します。そうした面からも注目度が高く、各所から『デモンストレーションをしてほしい』などの依頼が絶えないそうです」
環境や社会貢献への意識をエンジンに、さらなる成長へ
成島建設の今後について、米村は「成長間違いなし」と語ります。
米村: 「成島建設を訪ねる度に、そのパワーに圧倒されます。若い人が多いこともありますが、とにかくみなさんエネルギーに溢れているんです。積極的に新しい分野にも挑戦していこうという意欲も高いですから、これからもっともっと発展していく会社だと思います。
スパイダーについても、自社の利益にこだわらず、さまざまな依頼に二つ返事で協力してくださいます。その高い性能や能力を理解しているからこそなのでしょうが、すばらしい姿勢だと感じますね。
また、先ほども少し触れましたが、スパイダーは災害復旧の現場でも活躍しますので、災害が起こってしまった際の支援活動に協力・貢献することはもちろん、迅速に対応できるような事前の体制づくりなども念頭におき、活動されています。
以前私が林業関係の仕事をしていた経緯もあり、導入後も林業に関する相談を受けるなど、頻繁にやり取りさせていただいていますが、とても意欲的です。具体的に、どういう案件に参画していくのかなど、一緒に検討しています。高性能機械であるスパイダーのメリットを最大限発揮できる分野で、実績が積み上がるようサポートできたらと思っています。
スパイダーについては、むしろ私が教えてもらうことばかりで、とてもお世話になっていますので(笑)、林業で少しでもお役に立てるなら、本当にうれしいですね。
成島建設のような、意欲的で環境や社会貢献への意識が高い会社は、これからさらに成長していくと確信しています。良きパートナーとして、今後もともに進んでいけたらと思っています」
最後に、成島建設の五島専務からも、熱いコメントをいただきました。
五島専務: 「スパイダーは、最初に出合った頃から、本当に大きな可能性を秘めた機械だと感じていました。特に土砂災害、水害時などの対応や復旧工事などでは、その力を大きく発揮します。
スパイダーは現在、当社も含めて日本で15台保有されています。そうした企業と連携を取ることで、全国の災害に対応できるようネットワークを組み、社会に貢献していけたらと考えています。
ここ数年、災害が増えているからこそ、迅速に復旧支援ができる体制づくりに努めていきたいです」
今後の成島建設の活躍から、目が離せません。
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